京都大学で転学部をした話。

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はじめまして。題にあるとおり、京都大学で転学部をしたお話です。このためだけに初めてブログを書いてみました。稚拙な文章になるかもしれませんがお許しください。

 

  

 

 

 

 

なぜ初めてブログを開設してまでこのことを書こうと思ったのか。京都大学に進学し、やりたいことが変わるという経験をし、事前に色々調べたものの、その時得られた情報がほとんどありませんでした。もしもこの先同じような境遇にたった人の役に立てればいいかなと思い、この記事を書くことにしました。長くなりますが、お付き合い下さい。

 

 決意までの経緯

私は、京都大学工学部建築学科の新入生として入学しました。自分は完全な理系脳でしたし、ずっとものをつくるのが好きで、まあ将来は建築士になるんだろうか、と漠然と考えていました。入学以降も特に手こずることはなく、そこそこに授業に行きそこそこに単位をとり、可も不可もないような生活を送っていて、この頃は当然、転学部など頭の片隅にもありませんでした。

 

そうした生活に少し変化が出たのは、2年生の6月頃でした。与えられることをするだけの大学生活に少し疑問を抱き始め、ほかの学部では一体どんなことをしているんだろうと興味を持った時期があり、とっていない授業にたまに潜って参加していました。結局こんな思い付きの行動は長くは続きませんでしたが、ただそのうちのひとつであった「関係発達論」という授業に、少し聞いただけでとても引き込まれてしまいました(この授業を持っているのが、僕がのちに行きたいと考えている研究室の教授になります)。

 

本当に一目惚れのようなものでした。元々自分は自分に自信がなく、自己肯定感がないというか、対人関係にすぐ悩んでしまう性格なのですが、そうした自分から一歩踏み出すための生き方に直結している、と。建築学科を捨ててまでしたいと思える勉強が見つかってしまった瞬間でした。心理学を勉強したいと強烈に思い、では当然、どうしたらその道に進むことができるだろうかと考えました。

 

まず心理学を勉強できる環境を洗い出しました。京都大学において、心理学を勉強できるのは

 

文学部、総合人間学部教育学部

 

この3学部です。ただ、ここではほぼ迷いませんでした。人間の成長に関する分野が学びたかったため、どちらかというと認知知能を専門とする文学部の心理学は少し自分がやりたいのとはジャンルが違い、残り2つで迷った時も、建築学科でとった単位を自由科目として認定してもらえる総合人間学部のほうが圧倒的に都合が良いのは明らかでした。

 

そして、総合人間学部の授業を受けたいと思った時、私には2つの選択肢がありました。

 

①転学部をする

②4年まで建築学科に在籍し、その後総合人間学部の大学院を受験する

 

ここも大して迷いはしませんでした。善は急げタイプの人間なので、他にしたいことがある状況で建築学科に在籍し続けるのは気持ちの上で嫌でした。ここまでが、転学部を決意した経緯です。

 

 

情報が、あまりにもなかった。

 

動機が長くなりましたが、みなさんに有益になる情報を書けそうなのはここからです。

 

事前の調査について。 

転学部を決意し、ではどうしたら転学部が出来るのか、調べました。しかし本当に驚愕しました。

 

転学部に関する情報がほとんどありませんでした。

 

京都大学が公式に出しているサイトは僕が探した中では以下の一つだけです。

 

www.gssc.kyoto-u.ac.jp

 

(2020/3/24現在、エラーで見られない状況を確認しています。)

 

これはカウンセリングルームが出しているサイトですが、唯一の頼み綱であるにも限らず、あまりにも書かれている情報が少ない。

  • 成功した人間の数
  • 9月になると手続きが始まること

くらいです。なんの準備をしたらいいのかや他に制限条件があるのか、あまりに丁寧な説明とは思えませんでした。ので、まだ自分で調べる必要がありました。

 

①まず、研究室を訪問したこと。

 

 まず、転学部したい気持ちを固めるため、上で書いた発達心理学の教授である大倉先生という方のもとを訪ねました。どういうことを専門として勉強できるのかを主に聞き、自分がやりたいこととうまく一致していてとても楽しく話を聞けました。これは7月くらいにしたことなのですが、試験期間で、建築の勉強にもイマイチ身が入っていなかったのでとてもいいリフレッシュになったのを覚えています。そしてダメ元で、転学部についても少し聞いてみたのですが、答えは「わからない」とのことだけでした。これに関しては予想していました。京都大学は教務と教授側がそれぞれ独立しているので、教授側からしたら、教務の決定に従っているだけで、転学部の情報に関して教授側から情報を与えることは出来ない、知らないので。ということです。ただ、転学部したいモチベーションに繋がり、この研究室を訪れたことは我ながらよかったと思っています。最後に転学審査を受けた時にも、この行為は好印象として捉えられたと思います。

 

 ②カウンセリングルームを訪ねたこと。

 

モチベーションは得られましたが、肝心の情報はまだ得られなかったので、次に何をしたらいいか考えました。唯一の公式のサイトがカウンセリングルームによるものだったので、とりあえずカウンセリングルームに行こうという結論になり、予約をとりカウンセリングルームに行きました。この時に僕が知っていた情報は、

 

①転学部は、1段階目に入試の点数審査、2段階目に筆記及び面接の試験があり、それにより判断し決められる

②転学部に過去成功した人数

 

このふたつだけだったのですが、カウンセリングルームで聞いた事に、衝撃を受けました。以下が増えた情報です。

 

③総合人間学部には学系というものが存在するが、行きたい学系を決めておかなければならず(ぼくは心理学を学びたかったのでそこは人間科学系と決まっていました)、しかしその学系に受け入れ人数の余りがないと転学部審査に通ることはない。

 

④単位を2年前期までで45単位を取っていることが条件である。(僕は余裕でした。)

 

⑤2年生末に願を出した時、3年生から受け入れられる可能性と2年生から受け入れられる可能性の2パターンがある。

 

⑥2年生受け入れになったとして、留年が嫌なのでやはり工学部にいますということが出来ない(即ち願書を出したらとりさげ不可)

 

 

 

なんでそんな大事なことサイトに乗っけへんねん、と思わずツッコみかけましたが、は本当に衝撃でした。留年の可能性が見えた時とても怖くなりました。カウンセリングルームが出せる情報はこれだけらしいです。あとのことは行きたい学部の教務に直接聞いてくれと言われました。

 

 

 ③総合人間学部教務を訪ねたこと。

 

少し不満を感じながらも、情報が得られただけ良しとして、当然次は教務を訪ねました。僕がこの時知りたかったのは、1つ目に、学系の受け入れ人数はあるのか。受け入れ人数がないのに出願するほどアホなことはありません。2つ目に、2年生受け入れになるか3年生受け入れになるかの境界はどこにあるのか。留年しないことを前提に下宿させてもらっていたのでこれはだいぶ深刻な問題でした。しかし、教務の答えはかなりシビアなものでした。

 

「お答え出来ない」

 

としか言ってもらえませんでした。

 

 

 

「学系の受け入れ人数はあるのですか」

 

「お答え出来ません」

 

「毎年受け入れ人数に余りががなかったら3年ではなく2年生受け入れということなのですか」

 

「お答えできません」

 

「学系の受け入れ人数はこの段階で決まっているものではなく今の総合人間学部生が進級するまでわからないということですか?」

 

「それもお答え出来ません」

 

 

とても腹が立ちました。まるで、「ほんとにおまえがやりたいことなんだろ?ならもう心中するつもりで願書を出せ」と言われている気分でした。

  

情報収集もこれで底をつくことになります。転学部に成功した人間の話を1番聞きたかったのですが、これに関しては1人もいませんでした。転学部する決意はしたはずだったのですが、ここでかなり、揺らぎました。

 

工学部建築学科に所属し続ければ、恐らく院に進み、周りと同じような手順で建築士の資格を取りどこらかに就職したでしょう。しかし

 

転学部した先には何もありません。

 

その勉強の先にどんな思いがあるかも分からなければ何を職にしたいのかもわからない。ただ心理学を今やってみたいという他に動機はありませんでしたし、しかしそれだけのために留年を背負う意味があるのかと思いました。ここが1番の悩みのピークでした。しかし結局、飛び込む決意をしました。親も後押ししてくれましたし、数少ない相談に乗ってくれた人の言葉も心強かったです。

 

 

 

***ここからかなり重要***

 

 

自分が転学部した際に、募集要項をスクショしたのが残っていたので貼っておきます。転学部の募集要項が毎年そんなに変わるとは思わないのでおおむねこれと変わらないはずです。

 

これは転学部の募集要項が出る9月下旬以降に募集の申請をした人間が見れるものだったはずです(確か)。

 

こんな大事なもの、常に見れるようにしておいてほしいものです。

 

総合人間学部以外への転学部においてであれば、受験時の科目であったり受け入れ学年であったり、薬学部であれば出身高校調査票が必要など、さまざまな条件が付け加わることがありますので、各自で調べてもらわないといけません。

 

とにかく重要なのは、

 

①その年度の転学部の募集要項の正式なものは、その年度の募集が始まる9月までわからない(この写真の内容を鵜呑みにできない可能性は少ないがゼロではないよという事)。

 

②これ以上のことはネットからは絶対に出てきません。これ以上の情報が求められるかどうかは、学部の教務に問い合わせるか、実際に学部へ転学部した人間から話を聞くかのどちらかです。後者は総合人間学部以外であればほぼ不可能でしょう。

 

 

ということです。

 

 

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転学部までの、流れ。

 

かくして転学部を決意し、ここからは実際の手続きの話です。

 

 

まず、一次審査を申し込みました。入試の自分の点数を0.9倍し、行きたい学部の合格最低点を超えていればOKです。入試の点数に関してはしっかりとっていたので、ここは大丈夫だと踏んでいました。しっかり資格ありの判断を頂きました。

 

そしてここで、二次審査出願要項をもらいました。書かれていたのは

 

12月に面接を行うこと

 

結果は2月末に発表すること

 

このふたつだけです。もちろん願書を出しました。

 

12月の面接はそこそこに緊張しましたが、しっかりと聞かれたことに答えることは出来たかなという感じでした。工学部だと答えがひとつのものに向かっているタイプの問題が多いが心理学の分野ではそうした問題はなく、そこに違和感はないのか、などといった少し踏み込んだことも聞かれましたが、自分で考えていたことは多かったので納得のいく答えを出せたと思います。

 

2月末、無事に合格通知を頂きました。結局留年無しに3回生で受け入れてもらえました。

 

 

 

積極的な理由なのであればやはりどんどん飛び込んでいくのが良いと思います。楽そうだからとか、入試が楽な学部で入って後で転学部しようとか、消極的な理由なら絶対に辞めた方がいいと思います。

 

 

ほぼ自伝みたいになってしまいました。もし今後京都大学で転学部を考えた人の参考になれば幸いです。

 

 

転学部のためにしておくべきこと

 

これらのことを踏まえ、自分が転学部にあたり事前にしておくべきではないかと思うことを書きたいと思います。

 

ただ、自分は当然総合人間学部への転学部しか成功させておらず、ほかの学部においてはこたなることも多いだろうという事は承知の上お読みください。

 

 

Q 転学部において試験や面接のためにどんな対策をしたらいいか?

 

これがかなり皆さんの気になるところでしょう。結論から言うと、総合人間学部に関しては、

 

 

一切必要ありません。

 

 

ただ、自分が申し込みをした2018年と情報が変わっていなければという前提です。まず、総合人間学部への転学部であれば、筆記試験は存在せず面接だけですから、筆記の対策などは当然必要ありませんし、面接も、これの答えは用意しておいた方がいいみたいなものは一切ありません。全部ちゃんと考えてさえいれば当日の会話で事足りるものです。

 

 

他学部については何も言えません。教務に聞いてください。

 

 

Q 単位などの点でできることはあるか?

 

 

あります。自分は、建築学科でとらないと留年につながる単位(模型の造形実習です)だけはしっかりとり、残りは、

 

総合人間学部の専攻としても認められかつ、建築学科に残ったとしても一般教養の科目としても認められる単位

 

を中心に時間割を組みました。

 

 

どういうことかというと、総合人間学部では、他学部の人間がとると一般教養となるが、総合人間学部の人間がとると専門科目となる科目が存在します。

 

https://www.h.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2019/04/44ce8748d55c24fb55a0448d4371da94.pdf

 

↑は、総合人間学部の科目の便覧で、25ページ以降に該当します。

 

例えば「心理学」は、自分の行きたかった人間科学系の主専攻科目としても、建築学科の一般教養としてもカウントされますから、単位を取って一切の損がありません。

 

建築学科に残ったときのために!と思って取った元の学部の単位だって、転学部が成功した時に「自由科目群」に放り込めますから、これも取り得です。

 

逆に、総合人間学部に移籍すると第二外国語の取得単位がふえますが、この単位を転学部前に取っておいても転学部が失敗すればチャラになりますから、こういう単位は転学部後で構いません。3回生からの受け入れになってからで十分に追いつく範囲です。1.2回生でそんなにさぼっていなければの話ですが。

 

ただ、総合人間学部には学系入門科目という群が存在し、これだけは僕は建築学科に在籍していたうちに取っていました。負担にならない程度に、総合人間学部でしか認められる単位も取っておけば後々楽なのは間違いないので、余裕があれば他学部公聴を利用して取ってみるといいでしょう。

 

 

総合人間学部の単位システムなどについては、こちらの記事にも詳しく書きましたので、良ければ合わせてご覧ください。

 

www.mattsun.work

 

 

 

 

 

 

 過去のトラウマに、騙されない。

でもって、ここからは、僕個人のお話です。知り合いの人にしか分からないことがほとんどだと思うのですが、転学部するにあたって何を学びたいのか。どう生きていくか、僕の考えのお話です。

 

読んでいてつまらないと思ったらすぐ閉じてください。ほぼ自分の今の考えをまとめた、ただのメモです。ブログなんかに書いているなら、ただの承認欲求だろと思われると思いますが、自分にその気は一切ありません。たぶん、他人にひけらかす話ではないでしょう。

  

心理学を学びたいとだけ書きましたが、詳しく書くと、僕が学びたいのは

発達心理学

精神分析

この2点です。前者は、人間が成長するにつれ他者との関係でどのような思考を形成していくのか。その人間形成を研究する分野です。後者は、フロイトユングなど、分析家などの論文を元に精神病理などを学んでいく分野です。どうして僕は、こんな分野に興味を持つようになったんでしょう。高校の時には想像もしませんでした。

  

詳しくは書きませんが、高3の初めに、友人とのトラブルで、とても辛い思いをしました。結局何も言葉を交わさずに今後一生会うことはないと思います。その瞬間から、僕は人間関係を放棄する道を選びました。上辺だけの関係くらいなら初めから付き合わない方がマシであり、友達などというものはまあいらないと本気で思っていました。大学に入ってからもゾロゾロと群れている人間を見るのが嫌いで、そしてそんな自分も大嫌いでした。僕がおらずに済むなら進んで引くし、ひとりでずっと生きていこうとすら思っていました。深く人と関わる意味は無いと思っていました。

 

 

自己肯定感、自信、そういったものが一切ない人間でした。はなから自分にはできないと思っていて出来たらラッキー、そんな生き方でした。そしてそれは、高3の時に経験した辛い思い出のせい、ずっとそう思っていました。

  

でも、違いました。20歳になり、気付きました、本当に未熟でした。僕は辛い過去のせいで自己肯定感が無くなったとばかり思っていたのですが、そうではなく、自分がもともと弱気な性格であることを正当化するため、その過去の出来事を持ち出していただけなのです。

 

自分が嫌いな自分を好きでいただけなのです。

 

自分の性格上自分を嫌いでいることが最も合理的な道であり、僕は自分を嫌いでいる生き方を自分で選んでいたのです。過去のせいなどではない。

 

 

 

なぜここの部分だけこんなにも自分は変われないのか。

 

例えば部活で結果を残せず先輩に怒られる時。そしてそれで億劫になり次もまた結果を出せなかった時。

 

例えば好きな女性ができた時。なのに失敗をするのが怖くて全く想いを伝えることができない時。

 

「先輩が怖いから。」「ふられるのがいやだから。」との言い訳を作ることができます。

 

今の自分になら、ミスを正当化するために怖い先輩の存在を持ち出し、恋人の不在を正当化するために自分を好きになってくれない女性の存在を持ち出しているだけだというのはわかります。この点においては、自分は特に何も考えず練習をして成果を出すなり、しっかり気持ちを伝えるなりできる人間だと自負しているのですが、これが人間関係となると途端に話が変わってしまうのです。

 

 

 

ここを埋めること、それが20歳になり今後人間として成長していくための最後のピースだと感じるようになりました。この成長を促進する学習、それが、発達心理学精神分析に集約されているように感じたのです。

  

ルフレッド・アドラーという心理学者に出会ったのが19歳の5月でした。今まで書いたのはほぼ、彼の「トラウマの否定」の話です。そしてこの関係の無い因果律に囚われる生活から抜け出すために必要なものを彼は「幸せになる勇気」と呼びました。

  

2019年の目標です。人生の課題です。5年後の自分は変わっているのでしょうか。生き方を見つめ直すには、大学で学部を変えるなど微々たる変化であるとの思いが背中を押しました。未熟を受け入れ、未熟に甘んじない人間になりたいです。

 

 

 

 

もしもここまで読んでくれた人がいたなら、本当に時間を奪ってしまいすみません。こんなしょーもない人間でもちょっとだけ考えているんだよということで。周りの人に支えられ、今は本当に幸せです。

 

  

 

 

おわり。