読書レビュ―【2021年度上半期】②

前回の続きです。 www.mattsun.work ******************* 『正欲』朝井リョウ 正欲作者:朝井リョウ新潮社Amazon 自分が書きたかったもの、先回りして書かれました、感。 全部言葉にされた、悔しい。 たぶん該当する人にとっては、一番初…

読書レビュー【2021年度上半期】①

一か月もブログを書かなかったのは、今年になって初めてです。なんとPV数はみるみる減り、お小遣い程度に稼げていた広告収入も半分ほどになりました。 書くことがなくなってきた、というより、あまりに日常生活で刺激をもらうことが減ってきている気がして、…

他人の幸せが許せない人

オリンピックの反対派閥に、次のような理屈を訴える人がいます。 子供の運動会、部活動の地区大会、行きたかったライブ、また他の様々な式典が中止されているのにオリンピックだけは出来るというのは分からないという言い分です。言ってしまえば、我々が我慢…

プロローグ

誰かと分かりあうことは、時にとてつもない苦労を伴う。 その苦労の正体を見定めるのに必死だった。 苦労は何故にあるのか。その答えとして一般人が用意する様々な答えに私は辟易してきた。 ――今の苦労が将来には光に変わるんだ――――生きる意味は死んだときに…

それでも彼らは”老害”になる―部活動と再現性―

大学を卒業し、部活にも顔を出さなくなってかなり時が過ぎたように思う。顔を出さなくなった、と言っても、コロナの制限で物理的に顔を出せないわけだが、そんな中かつての同級生と会う機会があり、久しぶりに部活の話をした。時代の背景上、OBと現役の交流…

優しくなれる、幸せな人たち。

この世には、優しくなれる人たちと、優しくなれない人たちがいる。 僕は優しくなれる人だ。他の大勢も、ほとんどが、優しくなれる人たちで構成されている。 他人に優しくあることは美徳である。困った人がいれば助け、自分が困った時に助けてもらえる、それ…

思わせ、名乗らせ、腐らせる

バイト先の常連さんに、絵を描いている人がいます。先日、本当に少しだけですが話をさせてもらいました。作品を生み出すことを生業としている人の話を聞く機会が今までの自分にはほとんどなかったので、貴重な経験でした。 京都のとある大学を出た後は筆のみ…

文化のセックスに切り捨てられる人たち

最近ある本に出会ったことで、自殺についてさらに自分の知見が深まったような気がするので、今回はそれを書きます。どのような話かと言うと、自殺の犯人は誰なのかということについて、今までより具体的に言語化できるようになったかもしれない、という話。 …

人としてどのように”腐るか”を我々は選択できる

僕は成長するということをあまり良いことだと捉えていない。 ここで言う成長とは、「何かを行うにあたりそのスキルが上昇すること」ではなく「人が歳を取ることで様々なことを知り、行動の可能域が増えること」という意味合いだ。つまり例えば、学校で社会の…

自分の意志はどこまで存在していますか?

酒が人を酔わせるのではなく、その人のもともとの本性を酒が暴くのだ、みたいな格言があります。 そして、それに感銘を受ける人がいます。そうだ、酒のせいにしないで自分を見つめなおせ、みたいに。 このように考えられる人を見たときに、羨ましい、と感じ…

この世に生まれることは悪なのか

反出生主義、という考え方がある。これは文字の通り出生に対して否定的な立場をとるもので、この考え方に自分は30%ほど共感できる。 反出生主義という言葉を聞くのが初めてである人にとっては中々受け入れがたい考え方であるかもしれない。きっとその人たち…

LGBT理解増進法……理解?

昨今LGBTの話題はなんというかタイムリーで、同性婚の話題もあがれば、資本主義と弱者男性を結び付ける論調も登場するなど、さまざまなことが今の世では謳われている。雄の目的は雌の獲得であるという、我々が逃げられない性質はこの世をどんどんと不幸にし…

多様性とはマイノリティを守るものではない

近くに発売した朝井リョウの『正欲』という著書があり、単行本であったため購入を断念したのだが、その冒頭文は公式スタッフのTwitterアカウントで公開されており、その文章に感銘を受けた。 『正欲』が刊行されました。公式サイトにて、本の帯に掲載された…

動物と無能は感情に抗えない

会話にならない人というのが世の中にはある程度いて、会話にならないということはすなわち意思疎通が不可能ということである。自分の思いを言語化するという段階を踏まずにそれが相手に伝わることはないので、この言語化の能力というのはまず真っ先に鍛える…

本を読むことに意義はあるのか

なぜか小学校の頃の記憶で鮮明に残っているものがある。クラスの三十人ほどで、討論を行う授業だった。 題は「本とテレビはどちらがいいか」だった。 どちらの立場で討論に参加するかは各自で決めていいとの事だったので、僕は迷わずに本側に着いた。そうし…

資格は誰のためにあるか?

レッテルというものがあまりに嫌いすぎて、肩書き社会を生きたくない、という一匹狼にありがちな思考が自分の中にも確かにある。 一匹狼に、資格はいらない。自分の能力を見定めることができるのは自分だけだと周囲をどこか冷めた目で見ているし、だからこそ…

集団からの撤退と始動

新年度になり、気持ちは不思議と安定してきている。 大学生という身分が消えたことで、何者でもない自分をぼんやりと俯瞰する。今まで1500円で見られた映画は1800円払わないといけなくなるし、学生証を見せると100円引いてくれた近くの定食屋での割引はもう…

"できない"を伝えること

大学を卒業してから進路がないので、バイトは当然、生活に必須のライフラインとなる。これをなくせば破産の道が待っていて、生活保護まっしぐらだ。 そんなバイトで、かなり気がかりなことがあって、その問題が最近、ようやく解決された。 大学二年生から続…

京都大学卒業にあたり ―私の体はどこにあるのか―

京都大学を卒業した。学生の身分を終えた今、見えたものを大事にしようと飛び込んだ総合人間学部の二年の期間は一瞬で過ぎたように思う。 この2年の間、就活や院試の勉強に自分は励むことなく、卒業した後には無職の道をたどることになった。直接の原因とし…

京都大学で転学部して分かった"渇きへの欲望"

卒業式を三日後に控えている。しかし、そうした実感がまるでない。 だから在学した証を少しでも残したくて、転学部を振り返る。自分にとって転学部を言い換えれば、「"渇き"に身を投じたこと」である。これは、一種の投身自殺かもしれない。 転学部した際の…

自死遺族をそっとしておくことは健全な策か?

昨日、初めて一日に二つの記事を書いたが、溜まっていたものをパッと出せたのですっきりした。性に関して加害と被害の関係から、男性視点で起き得る問題を指摘した。www.mattsun.work www.mattsun.work 性を加害被害の関係でしか捉えられてこなかった自分は…

男性にとって女性は”報酬”なのか【後編】

前回の記事の続きです。www.mattsun.work 前回、セックスやジェンダーにおいて起こる加害と被害の関係を完全に取り除くのは不可能ではないかという話をしたところだった。加害者には「享楽を与える者」としての側面があることは認めなければならず、その恩恵…

男性にとって女性は”報酬”なのか【前編】

最近、性の対立構造について考えることが増えた。長いこと考えてしまうと、それは大層生々しい気持ちになって後味が悪い。 別に、男と女というそれだけの話なのに、生々しい感情になってしまうのはどうしてだろうか。それは未だ自分が、男性と女性の関係を「…

嘘つき人間。

今でもよく覚えている。高校一年生の時、火曜日の一時間目は世界史の授業だった。 火曜日の朝、高校の最寄り駅についた時、僕は欠かさず行う一つの習慣があった。改札を出る時に駅員窓口を一瞥し、どこかの路線が遅延したことを証明する遅延証明書を探し、も…

死にたくて生きたい。

カーテンレールにもやい結びでたこ足をくくりつけると、私の気はとても和らいだ。首さえ通せばここでいつでも死ねるという安心感と、今まで自分の一人の空間として大事にできた家の空間を、自分だけの処刑台にできたような満足感。死にたくなったらいつでも…

心配されることへの”抗議”

「人に心配をする」という感情がある。 知っている人が事故にあったりなんかした時に、その人の安否や状態が気になって「大丈夫かな、無事かな」なんて思う。この感情を、我々は、他人を思いやる素晴らしい感情だとして教育されてきた。 しかし自分の身近に…

黒い春と、怖かったコーチ

今年の春も、黒そうだ。二年連続で、黒い春を迎えようとしている。 部活動、二回目の引退。僕の部活生活は、二回目も続かなかった。 一年目は、言うまでもなくコロナと、あとは病気になったことで練習にもあまり行けなかった。 二年目は、コロナと病気が収ま…

人と付き合う、5%の法則

もし義務教育から「人間関係」を基準に成績が付けられていたら、僕は高校にすら進学できていないと思う。人と付き合う上で、何か重要なものが欠けているとも思う。しかし、人と一切の付き合いをしなくても良い人間はいない。だから、人間関係を構築するうえ…

【まとめ】2月に読んだ本

今月は思ったよりも読書がはかどらなかった。理由は1冊目の『倫理学入門』に1週間もかけてしまったこと、など。 『倫理学入門』品川哲彦 『 名も無き世界のエンドロール』行成薫 『完全自殺マニュアル』鶴見済 『ファーストラヴ』島本理生 『ドクターデスの…

3月が怖い。

厳しい寒さを終えて暖かい春がやってくるなんて、嘘だ。 卒業の時期が近づいてくると、何かモヤモヤしたものが近づく。 僕が楽しんでいいのかなという不安。あとは、それを迎えたかったはずなのに迎えられなかった人を思ったときのやるせなさ。 僕はなんで、…