「愚かである」ということ。―『愚行録』―

自分の愚かさに嫌になることがある。また、他人の愚かさに嫌になることもある。 前者はおそらく、どちらかと言えば内省的な人間に映り、褒められる人間の部類に入るだろう。一方後者は、自分の都合で周りを決めつけるような、自己的な人間に映ることが多いか…

『安楽死か、尊厳死か』ー要約と感想ー

新年になって、本を読むことが増えた。その中の一冊で、この本を買った。 安楽死か、尊厳死か (ディスカヴァー携書)作者:大鐘 稔彦発売日: 2018/09/26メディア: 新書 大学で自死の研究を行ってきたが、自分は安楽死に関する考察をしてきたことはほとんどなか…

心の不自由と、科学の自由

京都大学の総合人間学部に所属していると、主専攻に加えて副専攻の科目を履修しないといけない。つまり、論文などを書く題材と出来るような、自分が勉強したい分野に加えて、知見を広めておくという目的のために、自分の専門外の科目を学ばないといけないこ…

自死から「逃げる」という選択の解釈

逃げるのは弱いことという解釈は、以前に比べてどんどん減って言うだろうという気はする。いじめとかそういう類のものがニュースになってくるにつれて、それに対抗するのは精神論だなんて、大真面目に言う人は減ってきただろう。逃げていいという認識は、今…

言葉は性善説、人間は性悪説。

確か、精神分析の授業において、だったと思う。 エクリチュールとパロールという、書き言葉と話し言葉による二項対立が存在していた、みたいな話を聞いた。その授業は自分には難解で、内容はあまり理解できていないのだが、簡単に言えば、「書き言葉は、伝え…

私たちが勉強をする本当の理由

なぜ勉強をしないといけないのか、と、この世で生きていれば多くの人は一度は考えたことはあるのではないだろうか。 そしてこれは、「人はなぜ知的好奇心に従って行動するのか」というような本能に関する疑問ではなくて、「将来使いもしないような教育を、何…

自殺の犯人が、見つかった。

――子供には人並みに生きて欲しいと、親なら誰でもそう思う―― 人並みとは、果たして何か。 とにかく、僕は普通にならないといけなかった。周りに自分の経歴を話したときに、誰にも「え?」と言われないような。ちょっとでも誰かから「なにそれ、へんなの」と…

未来のために、自殺した人を”叩く”べきか

今後の日本において、自死で亡くなる人を減らすために、「自死で亡くなった人は叩くべき」「自死を選ぶのは悪いことと教育すべき」という意見がある。 これはある意味ごもっともで、確かに、「自殺を選んでもいいよ」と思わせるのには問題があるのだろう。し…

初めて行った心療内科、かなり後悔した話。

この記事に書くのは、ある意味自分の原点となるような話だ。 www.mattsun.work 自分のプロフィールにも、大学二年生の時に、心療内科に行った話は初めの方でちょこっと載せたが、ほとんど詳しく書いていない。そして、タイトルにも書いているとおり、自分は…

”作者”が”作品”になる―『えんとつ町のプペル』を見て―

『えんとつ町のプペル』という映画を、先週に見た。 キングコングの西野亮廣さんが絵本作家として活動しているという事は映画公開よりも前から知っていて、近畿大学の卒業式のスピーチをたまたまYoutubeで見つけたことで、「ディズニーを超える」なんていう…

いじめ自殺はなぜニュースになるのか

卒論を書き終えたうえでの、主な考えをまとめる時期として今ブログを書いているので、今までに続いてしばらく自死の記事となります。 しばらく自分が研究室で考えてきたのは、デュルケームが言うところの「無規制社会が呼び起こす、止み難い渇きによる自死」…

厭世自殺の解釈〈明治に起こった自死の反転〉

自殺の一般のイメージと言えば、それは「未来を閉ざされた者が死を選ぶ」ということである。いじめ自殺や過労働による自殺のニュースが流れるたびに、故人を追い詰めたものに対するバッシングや、自死を防げなかったことに対する批判の声が相次ぐ。自死を防…

「しらない」と「きらい」の解離

「知らない」ことと、「嫌いである」ということが、非常に紙一重で、近い距離にあるという話をしたい。ここをしっかりと分離できるということが、我々の生き方を快くすることにつながると思っている。 最近、自死遺族の方が、このようなツイートをしているの…

自立から依存へのパラダイムシフト

「依存」という言葉が、プラスの意味で使われることは、最近ではほとんど無いのではないか、と思う。つまり、依存という言葉は基本的に悪い意味で用いられる。―――何かに頼らないといけない情けない姿―――大げさに言えば、ここまで依存という言葉の持つ意味で…